■鉢植えの深山海堂(みやまかいどう) (植替えと実をつける方法について)■
 ミヤマカイドウ(深山海堂)の鉢植えの植替えは10月が適期になっていますが、赤く美しい実がたくさん成り観賞の時期だと思います。この時、植替えても実が落ちることはありませんか。また来春の開花に問題はありませんか。さらに来春の開花時に、まちがいなく実をつけるにはどうすればよいですか。
 みのりの秋から、紅葉の観賞期へと何かと多忙な時期になりますがご指摘のように秋の植替えの適期でもあります。植替えによって見事に成った実が根をかき取ることで実が落ちないかということがご心配のようです。

今回はこのミヤマカイドウ(深山海堂)の秋の植替えについて説明します。春3月の植替えは、剪定・根切・繁殖の根伏など多義にわたり本格的になるので次の機会にします。
鉢から取り出したミヤマカイドウ(深山海堂)は、実が鈴なりになっています。根鉢の四方周囲は1/3又1/4、底土は1/10の割合でかき取り、上土も根が表れる程度までかき取ります。
根を取った分だけ地上部の枝葉も、同程度刈り取るのが基本的な自然の法則です。実を覆うような葉は葉元で刈り取ります。小さく邪魔にならない葉は、残しておきます。
  花芽は7月下旬から8月中旬にかけて、すでに分化しています。
来春に咲く花芽がしっかりと見えています。花芽のついていない徒長枝(シュート)や、胴吹芽、ひこばえなどはすべてかき取ります。手入れはその程度で、植替時は根幹均等の原則のまま整えます。実はついていても特に影響はありません。水分を吸収するだけで、来春2月頃まで実は保ち続けます。葉は11月下旬にすべて落葉します。
  植替え後のミヤマカイドウ(深山海堂)は1、2ヶ月の短い間で冬越しの準備のために、充分な生育をしなくてはなりません。植替え後は、必ず棚上で直接日光に当てて、充分に寒さに耐えられるように、リンサン・カリ分の多い肥料を与えます。これによって植物に栄養分が保持できるので、冬至後から春先にかけて急速に生育する植物に直接作用します。そして、2月中旬頃に実は残留色素で最後のあざやかな美しさを残して自然淘汰で落果します。
     
ミヤマカイドウ
ミヤマカイドウ(深山海堂) 盆栽9cm
花を咲かせ実をつけることを、結果習性といいます。
バラ科のリンゴ属のミヤマカイドウ(深山海堂)は、他のリンゴ属の品種と同じく、「自家不和合性」と言って、同じ樹に咲いた花の花粉では、受精いにくい性質があります。これは、植物がもっている、自己防衛本能のようなもので、自分の花粉だけで受精を繰り返していると遺伝形質が純化されすぎて樹勢が弱くなるからです。
  樹木が一本だけの時や同じ株から繁殖したものだけの場合、極端に結実が悪くなります。
これらを防ぐために、別の遺伝形質をもち、しかも受精可能な近縁種を近くに置いておかなければなりません。ミヤマカイドウ(深山海堂)には、ヒメリンゴやコッコウリンゴ、ズミなど、開花時に数鉢を一ヶ所に寄せて置けば、風や虫などによってお互いによく交配します。また、別の種と花粉を取って人工受精すると、より確実に交配できます。
 

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