■4月・5月■
 今、ここ堺でも茶色く枯れたマツが目につくようになってきた。山手だけでなく、大切にしている庭のマツは大丈夫だろうかと心配する方も増えてきました。マツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウが原因と言われていますが、どうして枯れてくるのか。また、その対応策は。
 7〜8月頃、性成熟したマツノマダラカミキリ(以下、マダラカミキリ)は、樹脂滲出が停止し枯れかけたマツに卵を産み、その幼虫が樹皮下の組織を摂食し成長。樹木内に蛹室を作って越冬。蛹室で幼虫がサナギになった(5月下旬)頃にマツノザイセンチュウ(以下、ザイセンチュウ)が蛹室の周りに集まる。5〜6月頃、羽化と共にザイセンチュウがマダラカミキリの幼成体内に気門から入り込む。マダラカミキリの新成虫が新しいマツに飛んでマツの葉を食害するとき、ザイセンチュウがマツの体内に入り込む。樹脂道を通って体中に広がり7〜8月にかけて樹体内で猛烈に増殖する。マツは、テルペン類を出して抵抗するがザイセンチュウを殺すことは出来ない。その中の揮発性成分モノテルペン類は仮道管に入って気泡を発生させ空洞化(キャビテーション)を起こす。又、ザイセンチュウはセルロース分解酵素を出して、マツの樹脂を分泌する細胞を破壊し樹脂(ヤニ)を出なくしてしまう。又、形成層細胞も破壊し仮道管の空洞化は一層進む。その結果、水は葉に送られなくなって、やがて枯死することとなる。乾燥期の8月下旬から9月にかけて枯れてくれば、まずマツザイセンチュウ病と考えてよいでしょう。針葉の褐変は最終段階であり樹脂滲出が止まっても、しばらくは外見上正常な状態を維持している様に見える。そして、エタノールやテルペン類を発して性成熟したマダラカミキリを誘引・産卵し、防除の妨げとなる。
<マツノザイセンチュウの駆除法>
<伐倒駆除> 松枯れを起こしたマツを伐倒し焼却、燻蒸等。樹内のマツノマダラカミキリを殺す。
<薬剤を散布>アセタミブリド液剤等。2ケ月に1回、100倍液を散布。マツノマダラカミキリの成虫に効果がある。5月、7月、9月、11月散布する。(7月は雨が多く効果は悪い)。二ヶ月位は効果ありと言われている。(マダラカミキリとザイセンチュウは死ぬようです)。
<冬期にマツの幹に穴をあけ、ペットボトル状の容器で薬剤をマツに注入する方法> マツノザイセンチュウを直接殺す。樹幹注入剤として、ミルベクチン液剤などがある。樹幹流で葉先まで上げる(朝〜昼がよく上がる)。平均気温5℃位の時が良い(気温が高いとヤニの流れが悪く効かない)。薬剤使用時期は12〜2月。効果は3〜4年。幹の太さで薬量をきめる。幹周り15pで1本が目安(1本1000〜2000円)。3〜4年毎に実施。庭木は良く剪定されており使用薬量が掴みにくく使用しない方が得策(自然状態のマツのみ)。

>>バックナンバーはこちら